北海道・札幌の社会

記録的な暑さだった六月から一転、七月の道内は気温が低めに推移している。中旬に入ってからは平均気温が各地で平年を下回り、夏は“小休止”状態。二十日も太平洋側やオホーツク海側で肌寒い天候となったが、札幌管区気象台によると、低温傾向は二十日いっぱいで解消される見込みという。　同気象台によると、オホーツク海高気圧から冷たい空気が道内に流れ込んだ影響で、十一－十九日の平均気温は、道内二十二の主要観測地点すべてで平年以下となった。帯広一三・三度（平年一八・○度）、広尾一一・九度（同一五・七度）、釧路一一・六度（同一五・二度）など道東太平洋側が低かったほか、札幌も一八・一度（同二○・二度）と低温だった。

　札幌では二十日も、最高気温が平年より四・六度低い二○・九度にとどまったが、中央区の大通公園では恒例のビアガーデン「大通納涼ガーデン」が始まり、初日を待ちわびていたサラリーマンらがどっと押し寄せた。

　同僚四人と訪れた札幌市白石区の会社員山内哲也さん（４６）はジョッキをあおり「少し寒いが、夏の恒例行事なので楽しみにしていた」。アサヒビールの担当者は「昨日までのリハーサルではかなり寒く、スタッフが風邪をひくのではないかと心配したが、初日にこれだけお客が入れば上々」と話していた。大通納涼ガーデンは八月十日まで。

　「足踏みする夏」は家電や衣料品など夏物商戦に、じわじわと影響を与えている。札幌市北区のヨドバシカメラマルチメディア札幌では七月に入り、エアコン、扇風機の売り上げが前年同月比マイナスになった。担当者は「六月は暑い日が多く、売り上げも良かったのに」と語る。

　デパートでも「夏物衣料は厳しい」（三越札幌店）、「秋物衣料は前年同期の１０％増だが、サングラスの売れ行きなどは例年より一、二割少ない」（丸井今井札幌本店）などと嘆き節が聞こえる。ただ、同気象台は「今後は梅雨前線が北海道に近づくとともに、湿った暖かい空気が入ってくる。オホーツク海高気圧も南東へずれ、気温は平年並みに戻るだろう」としている。


(北海道新聞　引用)