北海道・札幌の社会

道内は二十七日夜から二十八日午前にかけて、寒冷前線通過に伴い大気の状態が不安定になり、道南を中心に局地的な大雨や雷に見舞われた。この影響で、函館市内で土砂崩れが発生し女性一人がけがをしたほか、ＪＲが運休するなど交通網に乱れが出た。

　札幌管区気象台によると、渡島管内七飯町大沼で午前七時四十分から一時間の降水量が観測史上最高の六一ミリを記録。降り始めからの二十四時間降水量は正午現在、函館市川汲一四四ミリ、同管内森町一三一ミリ、後志管内倶知安町四四ミリ、札幌市三九ミリなど。大雨は夕方までに峠を越え、参院選の投開票が行われる二十九日は太平洋側を除き晴れ間が広がる見通し。

　この大雨で、二十八日午前九時ごろ、函館市入舟町の住宅地の斜面で土砂崩れが発生し、土砂が民家一棟の壁を破って室内に流入。住人の女性（５８）が左足の骨を折る重傷を負った。市は二次災害の恐れがあるとして午前十一時二十分すぎ、付近の六世帯に避難指示を出し、十数人が親せき宅などに避難した。また森町内では、住宅十戸程度が床下浸水した。

　ＪＲ北海道は、函館線の函館駅－森駅間と江差線五稜郭駅－木古内駅間などで一時運転を見合わせ、午後一時現在、特急十本と普通列車三十五本が運休。その他の列車も最大五時間の遅れが出て、約五千五百人に影響があった。

　道警交通管制センターによると、午後零時半現在、渡島管内八雲町内の国道２７７号をはじめ、国道一路線一区間、道道四路線四区間が通行止めになっている。

　室蘭市内では、落雷による高圧線の断線で、午前五時四十分から約四時間半、北部の住宅街を中心に最大約四千五百戸が停電した。

(北海道新聞　引用)