北海道・札幌の社会

石屋製菓（札幌）の一連の食品不祥事で、道は二十三日、同社が日本農林規格（ＪＡＳ）法に違反して菓子の賞味期限を改ざんしていたとして、業務改善を求める行政処分をした。同社の石水勲社長を道庁に呼び、山本邦彦副知事が知事名の指示書を手渡した。

　山本副知事は石水社長に対し「管理体制に問題があった。ＪＡＳ法の順守を徹底してほしい」と指摘。石水社長は「真摯（しんし）に受け止める。新社長とともに一日も早く信頼回復できるよう頑張りたい」と謝罪した。

　行政処分の対象となったのは、「白い恋人」「コーティングチョコ」「オレンジコンフィ」「鳴子パイ」の四種の菓子。道は十五日から二十一日まで四回、石屋製菓本社工場に立ち入り検査。四商品について、賞味期限を表示して出荷した後、返品された商品の表示を張り替えるなどして期限を延長していたＪＡＳ法違反を確認した。

　今回の処分は、都道府県知事が下すことができるＪＡＳ法違反の行政処分の中では最も重い「指示」で、《１》ＪＡＳ法を順守し一度表示した賞味期限を延長して再表示しないこと《２》原因究明と再発防止策の徹底《３》従業員教育の徹底《４》品質表示制度に対する点検体制の整備《５》同社が講じた措置を九月二十五日までに文書で道に報告する－の五項目を求めた。

　「美冬（みふゆ）」などで同社が一度表示した賞味期限を出荷前に付け替えるなどしていた行為については、違法とまでは言えないが不適切として改善を求めた。

　道は同日、ＪＡＳ法など食品安全にかかわる法令順守を呼び掛ける知事名の文書を道内の食品関係三十七団体（約二千五百社）に送った。
(北海道新聞　引用)