北海道・札幌の社会

もうすぐ九月だというのに、全道的に残暑が続いている。二十九日は十勝管内足寄町で午後一時に真夏日となる三○・一度を記録したほか、札幌でも二六・九度の最高気温を観測。以前よりしのぎやすくはなったが、例年なら二五度を切る季節。この残暑でプールなど夏型のレジャー施設はお盆明けも盛況が続き、スイカなど夏の味覚も季節外れの高値をつけている。

　屋内外プールのある、札幌市北区の複合リゾート施設「ガトーキングダム・サッポロ」。天候に恵まれた二十五、二十六日の週末は家族連れなど、約四千人の人出でにぎわった。同施設によると、お盆以降の週末の利用者は例年の一、二割増で、平日も夏休み期間中の大学生の姿が目立つという。

　「気温が高い上、雨が少ないことが大きいですね」と、同施設の佐藤智治販売課マネジャー。

　札幌の最高気温が三○・五度と真夏日となった二十七日、同市内の水道の消費量は五十九万トンに達し、この夏の最大使用量六十万六千トン（今月十五日）に迫った。札幌市水道局は「暑さで家庭での洗濯やシャワーの回数も増えたようだ」と推測する。

　一方、暑さによる需要で、ビールの売れ行きも好調で「例年のお盆明けを上回る出荷量になっています」（サッポロビール北海道本社）。

　夏の味覚のスイカも高値で推移し、札幌市中央卸売市場で二十九日にセリにかけられた札幌産のスイカは一箱（十二キロ）四千円。海開きで最も高値となる七月中旬の三千五百円を上回る水準で、スーパーなどの店頭には一玉二千円前後で並んでいる。

　ただ、多くの産地が七月の少雨や高温の影響で数量が減少したり、出荷のピークが前倒しになったため品薄気味。

　「らいでんスイカ」のＪＡきょうわ（後志管内共和町）は「いま出荷できれば最高なんだが…」とため息。ＪＡふらのも例年より三日ほど早く二十六日で出荷を終了、チャンスを逸して残念がる。

　札幌管区気象台によると、札幌の最高気温が十九日以降、連続で平年を三－五度上回るなど、全道的に気温は高め。大陸の高気圧の影響を受けているためだが、週末以降、全道的に雨模様となり、平年並みに戻るという。

(北海道新聞　引用)