北海道・札幌の社会

昨年まで札幌で指揮を取っていた柳下正明氏（４７）が２日、Ｊ１ジュビロ磐田のアジウソン監督の解任を受け、同クラブのコーチに就任した。かつての恩師に成長した自分を見てもらうためにも、元“ヤンツーチルドレン”のＦＷ石井謙伍（２１）たちの若手は、あらためてＪ１昇格への強い気持ちを新たにした。また、サテライトは札大と練習試合を行い７―０で完勝した。

　恩返しをするためには、Ｊ１に上がるしかない。磐田のコーチとなった柳下前監督は０４年から３年間、札幌の指揮を執った。ルーキー時代から指導したＭＦ上里、鈴木や、現在、主力となっているＭＦ藤田、ＦＷ石井ら若手の成長に大きく貢献した。

　「育ててもらった部分が多いし、成長した面を見てもらいたいと思います」と、今やチームに欠かせない戦力となったＭＦ藤田。ＦＫやＣＫのキッカーも努めるようになったが、柳下前監督には、マンツーマンでクロスやプレースキックを指導された。

　ＦＷ石井は「よく怒られたことを覚えてます」と苦笑しながら「早くＪ１でやって、自分のプレーを見てもらいたい」と話した。「ボールをもらう前の動きとか細かい部分まで教わった」と感謝した。４強となった昨年の天皇杯後には「考えすぎず、悩まずにやれ」と最後の言葉を受けた。

　この３連戦は１勝１分け１敗と苦戦している札幌。「下位はハードワークのチームが多い。自分たちもそれ以上の強い気持ちを持ってやらないといけない」と藤田は徳島戦での必勝を誓った。来るべき恩師との再会の日のために、Ｊ１昇格へ立ち止まることは許されない。

(北海道新聞　引用)