北海道・札幌の社会

道の包括外部監査人の中嶋恭介弁護士は２９日、道の随意契約の実態を調べた０６年度の監査結果を高橋はるみ知事らに報告した。調査対象とした随意契約６６件のうち８割強について、入札ではなく随意契約とした判断の基礎資料や委託料の積算の裏付けが「不十分」と指摘。「地方公共団体の契約は入札が原則であることを再確認し、随意契約を行う場合もより厳格な判断で行う仕組みを作るべきだ」と提言した。
　包括外部監査は、弁護士や会計士ら第三者が行政チェックを行う制度。道は９８年度から毎年実施している。随意契約は、入札など競争は行わず、適当と思う相手方を選び契約を締結する手法。道が０５年度に随意契約で委託契約を結んだのは２３３５件で、委託料は総額約４６０億円に上る。
　監査人はこのうち本庁各部の業務６６件を任意に抽出し、（１）随意契約による委託の必要性・有効性（２）随意契約とした判断根拠（３）契約金額の積算の合理性――の観点から調査を実施。（２）で５７件、（３）で５３件について「判断の基礎資料や積算根拠が不十分」と指摘した。（１）については全件が委託の必要性に疑義はないとしたが、受託者が業務の一部を第三者に請け負わせる「再委託」について７件指摘した。
　道は「監査結果を踏まえ是正すべき項目については適切に対処したい」とのコメントを出した。

(毎日新聞引用)