北海道・札幌の社会

ホームセンター最大手のホーマック（札幌）など三社の経営統合をめぐる同社株のインサイダー取引事件で、事前に内部情報を得て、ホーマック株を売買したとして、札幌地検は十五日、証券取引法違反の疑いで、同社関連会社で札幌市中央区の携帯電話販売会社「ノーステックテレコム」社長、山本英明容疑者（５７）＝釧路市緑ケ岡二＝を逮捕した。調べに対し、山本容疑者は容疑を認めているといい、不正に得た利益は千数百万円に上るとみられる。

　この事件をめぐる逮捕者は、東京のデザイン会社社長内田武之容疑者（５３）に次いで二人目。両容疑者に面識はないとみられるが、内部情報は、内田容疑者と同様、三社の共同持ち株会社「ＤＣＭ　Ｊａｐａｎホールディングス」前社長の前田勝敏・ホーマック前会長から漏れていた。

　調べでは、山本容疑者は、統合発表の四日前の二○○五年七月七日、前田氏から統合の内部情報を得て、八日と十一日に三万五千株を約四千二十四万円で買い付けた疑い。同社株は八日に千百四十九円（終値）で、統合が発表された十一日は千百六十二円に上昇。その後、十月上旬から十一月中旬にかけ、千五百－千七百円に達しており、この数カ月間に売り抜けた可能性が高い。

　関係者によると、山本容疑者は七月七日、前田氏とホーマック本社で会い、「来週の月曜日（十一日）はものすごく忙しくなる」と聞き、経営統合に気付いたという。

　ノーステックテレコムは、○一年にホーマックと業務提携し、同社の店舗内などでＮＴＴドコモの携帯電話を販売していた。ホーマックが株式の１９％を保有し、取締役には前田氏も名を連ねていた。○四年十二月期には売上高が約五十四億円に達したが、その後、不採算店整理で○五年十二月期に約八千二百万円の赤字を計上していた。ホーマックは十四日付で社内に特別調査委員会を設置。情報漏えいの事実経過を調べ、ほかにインサイダー取引がなかったかなどを確認している。

(北海道新聞引用)