北海道・札幌の社会

【七飯、函館】十日午後十時ごろ、渡島管内七飯町西大沼の函館大沼プリンスホテル前で、拳銃を持った男が同ホテルの出入り業者の女性（３９）を脅し、女性の乗用車を奪って函館方面に逃走した。函館中央署などは強盗事件とみて男の行方を追ったところ、十一日午前零時ごろ、約十五キロ離れた函館市昭和町の川沿いで道警函館方面本部の警官二人が男を発見。男は警官一人と撃ち合いになり、男性警部補が右手を撃たれて右手首に軽傷を負った。男は腹部と背中を撃たれ、殺人未遂の現行犯で逮捕された後、函館市内の病院に搬送されたが、間もなく死亡した。

　男は、長野県佐久市の暴力団員高成仁（こうせいじん）容疑者（５２）とみられる。

　警官は、道警函館方面本部地域課の村井光祥警部補（５５）と、野島茂美巡査部長（５２）。

　同署などによると、高容疑者は十日午前に、同ホテルにチェックインしていた。

　ホテルの出入り業者の女性に対しては「函館までどのくらいかかるの？　遠いね」と話しかけ、「車を借りるよ」と拳銃のようなものを突きつけ、車を奪った。車内には同ホテル前でメロンなどを販売した売上金の十万円が入っていた。同ホテルの従業員が１１０番通報した。

　強盗事件で緊急手配をかけ警戒中の捜査員が午前零時ごろ、高容疑者の乗った車が函館市内の道道を時速百キロ以上の猛スピードで逃走しているのを発見。同市昭和町で高容疑者が警官に向けて撃ち、村井警部補が被弾。野島巡査部長が応戦して五発を発砲し、二発が当たったという。


(北海道新聞　引用)