北海道・札幌の社会

政府は二日付で、二○○七年秋の褒章を七百七十八人と十七団体（道内は二十六人と一団体）に贈ると発表した。学術文化、スポーツで功績のあった人を対象とする紫綬褒章には、帯広市出身の芥川賞作家池澤夏樹さん（６２）、歌手の五木ひろしさん（５９）＝本名・松山数夫＝、九月の柔道世界選手権で七度目の優勝を果たした谷亮子さん（３２）ら二十五人が選ばれた。三日に発令される。

　池澤さんは、明治の初めに静内地方に入植した和人の兄弟とアイヌ民族との物語を描いた「静かな大地」など数多くのベストセラー小説を発表してきたほか、詩や評論の作品も多い。現在、フランスを拠点に活動している。

　紫綬褒章の受章者はこのほか、映画、テレビで活躍する俳優富司純子さん（６１）＝同・寺嶋純子＝、「島耕作」シリーズなどで知られる漫画家弘兼憲史さん（６０）、クラシックから映画音楽まで幅広く手がける作曲家三枝成彰さん（６５）＝同・三枝成章＝、日本女子プロゴルフ協会会長の樋口久子さん（６２）＝同・大塚久子＝、俳優加藤健一さん（５８）、歌舞伎俳優中村梅玉（ばいぎょく）さん（６１）＝同・河村順之＝、日本を代表するバレリーナ吉田都さん（４２）＝同・遠藤都＝ら。

　また人命救助功績が対象の紅綬褒章は、二月に青森県の八甲田山系でスキー客二人が死亡した雪崩で、発生時に現場に居合わせて救助活動に尽力したオーストラリアからのスキー客七人を含む十七人と三団体に決まった。

　一つの仕事に打ち込んできた人をたたえる黄綬褒章は二百八十一人、ボランティア活動などが対象の緑綬褒章は十八人と十四団体、公共活動の貢献に対する藍綬褒章は四百三十七人に贈られる。

　道内からは、黄綬褒章に、一九八八年から留萌水先区水先人として船舶の安全航行と海難防止に尽くしている岡沢光八さん（７１）＝留萌市＝ら六人、藍綬褒章に十九人、緑綬褒章に一人と一団体がそれぞれ選ばれた。