北海道・札幌の社会

経済産業省は二十六日、全国十地域の経産局長らを集めた「緊急拡大経産局長会議」を開き、甘利明経産相が原油高の影響を受ける地域中小企業への対策を指示した。各経産局長らの報告で、道内の景況は「おおむね横ばい」と前回十月の判断が据え置かれたが、関東、近畿、中国、九州の景況は悪化。全国の景況判断は今年二月の調査以来十カ月ぶりに下方修正された。

　政府が二十五日決定した原油高の緊急対策を踏まえ、甘利経産相は、影響を受ける中小企業の資金繰りの支援や相談窓口の拡充、下請け企業に原油高のツケを過度に負担させないための大企業への監視強化などを指示した。

　同会議は、三、六、十月をめどに年三回開かれるが、原油価格高騰の影響が特に中小企業に広がっていることから、初めて年末に臨時開催した。

　景況報告で道経産局は前回十月の判断を維持した。ただ燃料価格の高騰により、運輸業の収益が「大きく悪化」するなど原油高があらゆる業種の収益を圧迫していると指摘した。地域別では自動車関連産業が好調の苫小牧、室蘭両地域が「引き続き改善」。札幌、帯広、釧路、北見が「横ばい」、旭川と函館が「やや弱い動き」、稚内が「弱い動き」と判断された。

　道外の景況は関東、中国、九州が、前回の「緩やかに改善」との判断に「一部に弱い動き」との表現を追加、近畿は「改善」から「緩やかに改善」に判断を引き下げた。全国の景況判断も「緩やかな改善傾向にあるものの、ばらつきがみられる」と前回同様の改善傾向ながら、地域の景気回復のまだら模様を強調する表現に後退した。